私の哲学とストーリー
はじめまして。CloudTree 代表の佐伯です。
ホームページをご覧いただき、ありがとうございます。
弊社は「製造業特化の戦略的DXパートナー」として、日々お客様の課題解決のお手伝いをさせていただいております。なぜこのポジションに至ったのか?これは、私の経歴が深く関係しています。
開発系の機械設計者としてキャリアをスタート。
私の社会人としてのキャリアは、サーバー室ではなく、製造装置と鉄の切り粉にまみれた工場から始まりました。
当初、開発系の機械設計者として勤務を始めた私は、比較的早い段階から、企画、設計、試験、量産準備、そして品質保証まで、中小メーカーならではの、モノづくりのあらゆる工程に主体的に関わってきました。社内の仲間、お客様、協力企業の職人さん。様々な立場、異なる年代の方々と仕事をする中で、技術そのものと同じくらいか、それ以上に「人」と「プロセス」の複雑さ、難しさに日々向き合ってきました。
現場で直面した見えない壁と、非効率という名の静かなる危機。
その歩みは順風満帆とはほど遠く、むしろ常に何かしらの壁にぶつかっていました。
一つは「コミュニケーションの壁」です。同じ目標に向かって進むべく、目的や状況を共有する場合でも、立場や経験によって話の「伝わりやすさ」の尺度は異なり、利害が対立することもしばしばです。表面的な不満の奥にある、本人さえ気づいていない本質的な課題を紐解かなければ、物事が前に進まない。その難しさを痛感する日々でした。
そしてもう一つ、より深刻だったのが「非効率という名の静かなる危機」です。
日々現場からは、製造指示書や品質検査票といった大量の帳票が上がってきます。その多くが、事務所で誰かの手によってパソコンに転記されていく。この転記作業にかかる時間もさることながら、本当に恐ろしかったのは、問題の発生やその兆候に気づくのが致命的に遅れることでした。「もっと早くにこの数字を把握できていれば…」と、やり切れない思いに何度かられたことか分かりません。
現場とのやり取りも、常に小さなストレスの連続でした。何か問題が起きれば、正確な状況把握のために写真や動画を送ってもらう。しかし、現場のスタッフからすれば、それは「デジカメで撮影し、SDカードを抜き、PCに繋いで、共有フォルダに入れ、電話で報告する」という、本来の業務を中断させる余計な手間に他なりません。結果、「面倒な報告を求められるくらいなら、黙っていよう」という空気が生まれてしまう。「なぜ、もっと早く報せなかったんだ!」と、そう言い争ったことも一度や二度ではありません。
当時でも、こういった問題を解決する優れたツールがあったのかもしれません。しかし、何を隠そう私自身が、「よくわからない高価なシステム」に強い抵抗感を感じる、典型的な製造業の人間でした。実態がよくわからず、何かあった時に自分ではどうにもできないものにお金を払うことへの漠然とした不安。結果、現場の小さな非効率が積み重なっていくのを、ただ見ていることしかできませんでした。
解決策がないなら、自分で作るしかなかった。
しかし、こういった状況にも転機が訪れます。
「誰もやってくれないなら、自分でやるしかない」。
10名ほどの小規模工場に転職したことで、私は基本的な業務ツールはおろか、メールの運用すらまともに定着していない環境に身を置くことになりました。印刷された紙と、手書きの帳票によって運営されていく業務。見える化どころの話ではありません。
こうして、システムの専門家でもない私が、業務改善ツールを作るためのスキルを独学で学び始めました。最初は、自分の手作業を少しでも楽にするための、簡単なExcel VBAツールでした。しかし、その小さなツールが同僚に感謝され、「こっちの業務も何とかならないか?」と相談されるうちに、私の挑戦は少しずつ大きなものになっていきました。
私だけが使うツールから、複数の業務で利用されるツールへ。Excelをデータベース代わりにしていた仕組みから、本格的なデータベースやクラウド環境を利用したシステムへ。そして最終的には、営業から経理までを繋ぐ、全社的な業務統括システムを構築するに至りました。
それは、必要に迫られて学び、現場で試し、失敗と改善を繰り返した、泥臭い道のりそのものでした。
製造業DXにおいて立ち向かうべき、本当の壁。
この経験を通じて、私は一つの確信を得ました。中小製造業が抱えるDXの難しさには、構造的な原因があります。
生産に必要な膨大な数の「モノ」、多様な価値観を持つ「ヒト」、複雑に絡み合うサプライチェーンという「協力企業」。この3要素は製造業に必須ですが、デジタル化においては、その取り組みを妨げる大きな壁となります。物理的な制約を受ける「モノ」は情報の流れを遮断しやすく、関係する多くの「ヒト」は全体最適を見失わせやすく、それぞれが独自の工程を持つ「協力企業」は、情報の共有を難しくします。
近年、クラウドやAIといった新技術が、この壁を打ち破る希望の光として登場しました。低コスト・短期間で、自社に合わせたオリジナルのシステムを開発できる時代が来たのです。しかし皮肉なことに、その急激すぎる進歩は、「選択肢が多すぎて、何が最適解かわからない」という新たな混乱を生み出しています。
「目の前に素晴らしい道具が揃っているのに、誰もが途方に暮れている。」
この状況を打破し、これまでに培った「現場の知見」と「デジタル技術」を繋ぎ合わせ、かつての自分と同じように悩む経営者の力になること。それが、弊社の使命です。
あなたの会社の「翻訳者」であり「右腕」になる。
CloudTreeが掲げる原則は、私のこれまでの経験そのものです。
- 課題の本質を特定する。
- 費用対効果の高い解決策を提案する。
- 成果が出るまで伴走する。
弊社とのお仕事は、私との直接の仕事です。問題を診断する専門家が、そのまま解決策を構築する専門家になります。プロジェクトマネージャーは介在せず、それゆえコミュニケーションの齟齬も最小です。
製造業は、設備投資から技術の確立、そして投資の回収まで、非常に息の長い時間がかかる業界です。しかしだからこそ、長年の試行錯誤が織り込まれた工程は、それ自体が得難い価値であり、強大な参入障壁となります。
その強さに、「デジタル」という強みをプラスし、未来に繋ぐお手伝いをさせていただければ幸いです。
プロフィール
| 工学部卒業後、産業用ポンプメーカーにて勤務。技術部門において開発系機械設計職を務める。製造業の複雑さや難しさを肌で感じながらも、技術を形作るおもしろさも味わう。この頃はVBAで個人用ツールを作る程度。 |
| 転職後、技術・設計業務の傍ら、業務用ツールの作成に取り組みだす。VBAツールから始め、徐々に本格的なシステム構築へ進む。 |
| 副業としてツール・システムの受託開発を手掛けるようになる。数年して、副業を本業として独立。多様な案件に携わりつつ、現在に至る。 |
| 普段は岐阜県中津川市の外れでシステム業を営みつつ、ご要望に応じて全国津々浦々へ赴いている。山間の地域にも不自由のない生活を提供してくれる、現代のeコマース技術とクロネコヤマトの配達員さんに感謝の気持ちが溢れることが多い。 |
会社概要
| 会社名 | 合同会社CloudTree |
|---|---|
| 法人番号 | 92000-03-006602 |
| 所在地 | 〒508-0351 岐阜県中津川市付知町1156番地3 |
| 資本金 | 100万円 |
| 電話 | 050-3749-1942 |
| メール | info@cloudtree.be |
| 設立 | 2024年11月 |
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